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フランス・パリで開催されている「VALORANT Champions 2025」のグループステージDay6にて、欧州の強豪「FNATIC」がブラジルのMIBRにマップカウント2-1で勝利し、プレイオフ進出を確定させました。この勝利により、FNATICの設立当初からのメンバーであるBoaster選手は、VALORANT Championsが初めて開催された2021年から5大会連続でプレイオフ進出を果たした史上唯一の選手となりました。
本稿では、その陽気なキャラクターと卓越したリーダーシップでチームを牽引し続けるBoaster選手の、Championsにおける軌跡を振り返ります。

記念すべき第1回大会。FNATICはBoaster選手を筆頭に、Doma選手、Mistic選手、Derke選手、Magnum選手の5名で世界に挑みました。グループステージでは北米のCloud9、韓国のVision Strikersを打ち破り、1位通過を果たします。しかし、プレイオフ初戦で南米のKRÜ Esportsに惜しくも敗れ、ベスト8という結果で大会を終えました(同大会はシングルエリミネーションだった)。

この年を語る上で欠かせないのが、Championsに先立って行われた「Masters Reykjavík」での出来事です。FNATICはエースのDerke選手を含む2名の選手が出場できないという緊急事態に見舞われます。Boaster選手は急遽スタンドイン(助っ人)の選手を迎え、自らの役割(ロール)も変更して大会に臨みました。結果はグループステージ敗退に終わったものの、逆境に立ち向かうその姿は世界中のファンの心を打ちました。
その後、Boaster選手、Mistic選手、Derke選手、Enzo選手、Alfajer選手の5名で臨んだChampionsでは、グループステージ初戦で100 Thieves(100T)に敗れるも、FURIA Esportsを倒し、再戦となった100T戦を勝ち抜けグループステージを突破。プレイオフではDRXなどに敗れ、最終成績は5位タイとなりました。

Boaster選手、Derke選手、Alfajer選手、Leo選手、Chronicle選手で迎えたこの年のFNATICは「絶対王者」として君臨していました。2月の「LOCK//IN São Paulo」、6月の「Masters Tokyo」で連続優勝を果たし、年間三連覇に大きな期待が寄せられていました。しかし、グループステージは危なげなく突破したものの、プレイオフでブラジルのLOUDに2度敗北を喫し、惜しくも4位で大会を終えました。

チームの要であるLeo選手が休養のため離脱し、新メンバーのhiro選手を迎えて臨んだ大会。グループステージでは韓国のDRXに敗れるも、2位でプレイオフ進出を決めます。Boaster選手の連続プレイオフ進出記録を4に伸ばしましたが、プレイオフではG2 Esports、Sentinelsに敗れ、5位タイでフィニッシュとなりました。

長年チームを支えたDerke選手の退団やコーチ陣の変更など、大きな変革期を迎えたFNATIC。新たにkaajak選手、crashies選手が加入し、チームの再編成が行われました。しかし、Boaster選手を中心とした強固なチームワークは健在。グループステージではRRQ、MIBRを相手に勝利を収め、見事1位でプレイオフ進出を決めました。
2025年のFNATICは、VCT EMEA Stage 1で優勝、Masters TorontoとEsports World Cupでは準優勝と、チーム再編の影響を感じさせない安定した強さを見せつけています。FNATICは悲願のChampions初優勝を成し遂げることができるのか。Boaster選手の戦いから目が離せません。